サッカー日本代表の勝利に思う

日本サッカー界の歴史は、1993年にスタートしたJリーグによって大きく動き出しました。ファン層が一気に拡大し、日本でもサッカーがメジャースポーツの仲間入りを果たし、世界と同じステージに立ったのです。その後、日本代表は「ドーハの悲劇」を経て、1998年のフランス大会からWC出場を続けていますが、世界の強豪国には全く歯が立たず、今日に至るまでベスト16の壁を超えることができません。その歳月は、Jリーグ開始から丸30年。そう、日本サッカー界の歩みは、まるで日本の「失われた30年」とシンクロしているかのようです。
そういう意味で、日本代表が今大会、世界のサッカー大国であるドイツとスペインを立て続けに破ったことは、日本のサッカー界だけでなく日本の歴史のターニングポイントになるかもしれないと感じます。
今回の勝利は、運や根性に依るものではなく、戦術や組織論、個々の技術、練習の積み重ねなど、真の実力で勝ち取ったものです。サッカー日本代表は、「自分達がやってきたことを信じ、敵を正しく恐れ、萎縮することなく存分に力を発揮すれば、乗り越えられない壁などない」ということを身をもって教えてくれました。そのことが、日本人の自信を回復させ、日本を負け犬根性(=デフレ思考)から解放し、「失われた30年」からの脱却へと導いてくれる契機になってくれると信じたいものです。日本は今後様々な分野において、再び世界をリードする存在になるでしょう。そしてボク自身は、この歳にして「何事にも委縮せず思いきりチャレンジする勇気」を彼らから教わりました。
以上は、まだ日本代表がグループリーグを突破したばかりのタイミングでは、気の早いコメントかもしれませんが、今回のドイツとスペイン戦の勝利には、それほど大きな価値があると思います。日本代表には、決勝トーナメントでも思う存分プレーしてもらい、更に大きな壁を乗り越えて欲しいと願います。